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奈良の住宅・店舗の新築・増改築・リフォーム工事は井上左官工業株式会社にお任せ下さい。

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〒630-8033 奈良県奈良市五条3丁目21番34号

漆喰リフォームのご提案real estate

漆喰オブジェ・鏝絵の世界 

       






古くから伝わる左官技術の中には、漆喰鏝絵(漆喰を用いて立体的に絵柄を作成する)と呼ばれる技法や、洋館などに見られる漆喰装飾・レリーフなどがあります。

鏝を使って自由に目指す形に成形することが出来るのが左官ですので、左官技術を用いればどんな形のものでも立体的に造る事が出来ます。近年では3Dプリンターといった驚異的な機械が誕生していますが、職人の手作りで伝統的な漆喰で制作されたオブジェには人を引き寄せる魅力があります。

住宅では災いから守るために龍の鏝絵を施したり、商売繁盛を願い打ち出の小槌の鏝絵を土蔵に施工したりと家主様の想いを表現するものとして存在していました。今でも古い町家などでは鶴や亀を縁起物として入母屋に飾っているお宅も残っています。

世代も代わり、今では新築で新たに鏝絵を設置する事は本当に少なくなりました。
機会が失われることは技術が途絶える事と同じであります。日本の左官職人として、それらの事も出来るようになってこそ「一人前」という気概を継承し、技術の継承を図る機会の創出が求められます。

お店の看板としてご依頼を受ければ「お店が繁盛するように」という心を込めて、お住まいの災い除けとしてのご依頼を受ければ「ご家族の安寧」を願い、一つ一つ手作りで制作致します。

是非お気軽にお問合せ下さい。

制作過程と概算費用

     











制作において最も難しいのは同じものを作る事です。連続したレリーフなどを作る際には通常、粘土で原型を作成して石膏を流し込んで抜き型を作ります。その型を用いて同じ紋様を何個も制作して取り付けていきます。

ただし大きなものや、左右対称となるとそうもいきません。左の写真はワインバーのオブジェを依頼されたときのものです。
設計士がデザインした絵を基に立体的に制作を行いました。原寸や希望の形状があるものは自由に制作するのとは違い、難易度が上がります。

今回は合板下地にモルタルで下地を行い、漆喰で仕上げています。設置する場所・条件にによって下地や仕上げの素材は変える事が出来ます。肉厚の大きい場合は、内部にスタイロフォームなどを挟み込む事で軽量化を図ったりしています。

鏝を用いて成形していくのが基本となりますが、現代ではモルタル造形といって、材料をたっぷり盛り付けておいて、硬化が進むにつれて削りだすという工法も進んでいて、鏝絵などにも今後応用されていくと思います。

目的は技術継承でもありますので、今は基本的に鏝で成形を主としています。
下地のモルタルが硬化し養生期間をおいて収縮がひと段落したら仕上げの上塗り漆喰へと進めていきます。

ここからはフリーハンドで一つずつ塗り付けては鏝で押さえて仕上げていきます。
この過程でのポイントは設置個所です。遠くからしか見えない屋根の上や吹き抜けの高い天井面などに設置する場合は、細かいところの細工に気を配るよりも、全体のバランスや象徴的に見せる構図が重要になります。
また簡単には清掃が出来ないので、汚れ防止や落下など取り付けなどに気を配る事になります。

一方で近くで見るお店の入口の壁や玄関などに設置する場合は、細かい所まで繊細に作り込む必要がありますので、デザインは比較的シンプルなものが良いという事になります。
また照明の当たり方などにも注意が必要ですね。見せる為、見て頂くためのものでもあるという設置目的に意識を向ける必要があります。

そういった合理的で無駄を排した制作は昔から行われています。下から見ると立派な鶴と亀も足場を組んで、近くで見ると細部まできっちりと仕上げてあることは稀です。
また、通常は屋根に登らないと見えない裏面なども板がそのままであったり、取り付けの細工が丸出しなんて事も珍しくありません。

「見えない所でも手を抜かない」という教訓と、不必要な手間は掛けない。を両立させる工夫・知恵は大事もまた大事な技術です。

参考価格として、左右対称の前述のワインバーオブジェは直径≒750mmで250,000円
龍の鏝絵は直径≒450mmで180,000円
一番最後の葡萄のオブジェは直径≒450mmで120,000円を想定して制作しました。

まずはお気軽にご相談下さい。