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制作において最も難しいのは同じものを作る事です。連続したレリーフなどを作る際には通常、粘土で原型を作成して石膏を流し込んで抜き型を作ります。その型を用いて同じ紋様を何個も制作して取り付けていきます。 ただし大きなものや、左右対称となるとそうもいきません。左の写真はワインバーのオブジェを依頼されたときのものです。 設計士がデザインした絵を基に立体的に制作を行いました。原寸や希望の形状があるものは自由に制作するのとは違い、難易度が上がります。 今回は合板下地にモルタルで下地を行い、漆喰で仕上げています。設置する場所・条件にによって下地や仕上げの素材は変える事が出来ます。肉厚の大きい場合は、内部にスタイロフォームなどを挟み込む事で軽量化を図ったりしています。 鏝を用いて成形していくのが基本となりますが、現代ではモルタル造形といって、材料をたっぷり盛り付けておいて、硬化が進むにつれて削りだすという工法も進んでいて、鏝絵などにも今後応用されていくと思います。 目的は技術継承でもありますので、今は基本的に鏝で成形を主としています。 下地のモルタルが硬化し養生期間をおいて収縮がひと段落したら仕上げの上塗り漆喰へと進めていきます。 ここからはフリーハンドで一つずつ塗り付けては鏝で押さえて仕上げていきます。 この過程でのポイントは設置個所です。遠くからしか見えない屋根の上や吹き抜けの高い天井面などに設置する場合は、細かいところの細工に気を配るよりも、全体のバランスや象徴的に見せる構図が重要になります。 また簡単には清掃が出来ないので、汚れ防止や落下など取り付けなどに気を配る事になります。 一方で近くで見るお店の入口の壁や玄関などに設置する場合は、細かい所まで繊細に作り込む必要がありますので、デザインは比較的シンプルなものが良いという事になります。 また照明の当たり方などにも注意が必要ですね。見せる為、見て頂くためのものでもあるという設置目的に意識を向ける必要があります。 そういった合理的で無駄を排した制作は昔から行われています。下から見ると立派な鶴と亀も足場を組んで、近くで見ると細部まできっちりと仕上げてあることは稀です。 また、通常は屋根に登らないと見えない裏面なども板がそのままであったり、取り付けの細工が丸出しなんて事も珍しくありません。 「見えない所でも手を抜かない」という教訓と、不必要な手間は掛けない。を両立させる工夫・知恵は大事もまた大事な技術です。 参考価格として、左右対称の前述のワインバーオブジェは直径≒750mmで250,000円 龍の鏝絵は直径≒450mmで180,000円 一番最後の葡萄のオブジェは直径≒450mmで120,000円を想定して制作しました。 まずはお気軽にご相談下さい。 |
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